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【展覧会】慶應義塾大学アート・センター|アート・アーカイヴ資料展XXVIII: 幽暗 Shadow World ── 朦朧と立ち上がる土方巽の振付世界|’26年1月19日–3月14日

慶應義塾大学アート・センター
アート・アーカイヴ資料展XXVIII:
幽暗Shadow World ── 朦朧と立ち上がる土方巽の振付世界
日  時  2026年1月19日[月]– 3月14日[土]
時  間  11:00 - 18:00
休  館  日  土日祝日、1月31日[土]、3月14日[土]は開館
      2月2日[月]、3月9日[月]は閉館
会  場  慶應義塾大学アート・センター(三田キャンパス南別館1Fアート・スペース)
      〠 108-8345 東京都港区三田2-15-45 
              慶應義塾大学三田キャンパス南別館
      TEL 03-5427-1621 FAX 03-5427-1620 ac-tenji☆adst.keio.ac.jp
対  象  どなたでもご覧いただけます
入場無料
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土方 巽〔ひじかた たつみ 1928-1986〕の舞踏は30年にも満たないものの、それでも1959年の〈禁色〉以来の土方巽の舞踏を一望することはむずかしい。とはいえ、土方巽が1970年を境に自らの舞踏を決定的に変えようとしたことは確かです。1960年代に「舞踏の運動」は遂行されましたが、土方巽はともに「運動」を担った舞踏家と決別して、新たな舞踏の創造に向かったのです。
土方巽自身が1973年に舞踏の舞台から降りたことは驚きでしたが、ここから「Butoh Score」として舞踏メソッドの構築に向かいました。
本展では「幽霊」を形象する特定の動きに着目するとともに、海外の新たな視点と新たな映像の手法を得て、舞踏譜をベースにした土方巽の舞踏メソッドを提示し問いかけます。そして現在から50年前にあたる1976年からの土方巽の創作活動の流れを俯瞰しつつ、中でも1977年《小林嵯峨舞踏公演》〈にがい光〉と1978年《仁村桃子舞踏公演・アスベスト館松代分室設置記念》〈最初の花〉の2作品を紹介します。

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[ 詳 細 : 慶應義塾大学アート・センター ]

【SYMPOSIUM】慶應義塾大学アート・センター|パピエプリエ03:第五の季節 — 瀧口修造とジュアン・ミロ|’25年12⽉6⽇ |終了

慶應義塾大学アート・センター
パピエプリエ03:第五の季節 — 瀧口修造とジュアン・ミロ
日  時  2025年12⽉6⽇[土] 13:00 - 16:00
会  場  慶應義塾大学三田キャンパス 東館6階G-lab( キャンパスマップ ⑬
対  象  どなたでもご覧いただけます
費  用  入場無料
問い合せ  慶應義塾大学アート・センター
      〠 108-8345  東京都港区三田2-15-45 TEL 03-5427-1621
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  ミロよ
  あなたにならって
  蜻蛉の誕生日を祝おう
  この島々の国で
  あなたがもたらした㐧五の季節の
  ある晴れた日に
── 詩:瀧口修造、画:ジョアン・ミロ「ミロよ[…]」1966年[色紙に書かれた 詩「ミロの星とともに」の最終節およびミロのドローイング。この色紙の詩と『ミロの星とともに』に掲載された同節には若干の異同がある。]
詩と絵とはつねに貧しいときのパンと水のようなものでなければならないのである。
── 瀧口修造「ミロと詩画集」『画家の沈黙の部分』みすず書房、1969年、128頁(『コレクション瀧口修造2』みすず書房、1991年、192頁。)

1940年、瀧口修造は世界でもっとも早いジュアン・ミロのモノグラフ『ミロ(西洋美術文庫48)』(アトリヱ社)を上梓した。1958年、瀧口はヴェネツィア・ビエンナーレの日本代表兼審査員として渡欧し、欧州旅行を行ったが、その際ミロと会うことを望みながらも叶わなかった。ミロへの継続する関心を持ちながら実際2人が出会ったのは1966年の個展にあわせたミロ初来日の際だった。この展覧会を記念して瀧口が書き、朗読された詩が「ミロの星とともに」である。1966年10月4日の日付を持つ、瀧口が詩を書きその周囲を巡るようにミロがドローイングを描いた色紙は、最初の共作詩画と呼べるだろう。ここに書かれた詩は「ミロの星とともに」の最終節である。そこに記された「㐧五の季節」という瀧口の言葉は、四季がめぐる1年の内に胚胎した空白の季節、あるいは過ぎ去ることのない、もうひとつの季節を指しているのかもしれない。太陽と地球の関係によって生まれるのが四季だとしたら、「㐧五の季節」とは「ミロの星とともに」あること、すなわちミロと瀧口の関係によって生まれた季節だと言える。
2人が交わした書簡と2冊の共作詩画集『手づくり諺  ジョアン・ミロに』(1970年)、『ミロの星とともに』(1978年)はその季節の痕跡として私たちに残されている。本シンポジウムでは、往復書簡を読み解き、2冊の共作詩画集へ至るプロセスおよびそこで展開された諸問題について考えたい。

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【展覧会】慶應義塾大学アート・センター|SHOW-CASE PROJECT Extra-2|冨井大裕 接点の都合|’25年10⽉14⽇-12⽉19⽇|終了

慶應義塾大学アート・センター
SHOW-CASE PROJECT Extra-2
冨井大裕 接点の都合
日  時  2025年10⽉14⽇[火]- 12⽉19⽇[金]
時  間  11:00 - 18:00
休  館  日  土日祝日、10月25日[土]、11月15日[土]は開館
      10月27日[月]、11月17日[月]64@アは閉館
会  場  慶應義塾大学アート・センター(三田キャンパス南別館1Fアート・スペース)
      〠 108-8345 東京都港区三田2-15-45 
              慶應義塾大学三田キャンパス南別館
      TEL 03-5427-1621 FAX 03-5427-1620 ac-tenji☆adst.keio.ac.jp
対  象  どなたでもご覧いただけます
入場無料
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慶應義塾大学アート・センターでは、若い世代が学ぶ大学という場でこそ、現代という同時代を生きるアーティストたちの作品と出会い、多様な視点に触れる機会を作ることが重要と考え、現代美術展を企画してきました。新たな試みとして、既成品を用い独自の眼差しでその新たな側面を見出す作品で知られている美術家・冨井大裕と3年間にわたる展示プロジェクトを始動します。展覧会は時間と場所が区切られている「出来事」です。通常は一期一会的に成り立つもので、それが展覧会の魅力でもあります。その「出来事」を3年の連続形で考えることによってどのような展開が可能なのか、小さな展示室から新しい「出来事」の挑戦を発信します。

昨年から始まった3年にわたる「SHOW-CASE PROJECT Extra」は、一人の作家が、同じ展示室に連続してアプローチする取り組みです。

SHOW-CASEは展示ケースのことですが、それはいわゆる展示ケースを指すと同時に、「ケースを見せる」と捉えることもできます。ある対応や態度を見せること、ケースを示すということです。かつて、このような考え方で、一つの展示ケースを提案し、そこから様々なアプローチを引き出すプロジェクトのプロトタイプを一緒に作ったのが冨井大裕でした(http://www.art-c.keio.ac.jp/research/research-projects/show-case-project/)。
ある展示の枠組みが与えられてそこに様々なアプローチをする―― アート・センターの45㎡の展示室1室という展示空間もまた、ひとつのSHOW-CASEと捉えられるのではないか。あるいは更に、展覧会という枠組み自体がSHOW-CASEとして機能していると捉えることもできるのかもしれません。そこで、今回の企画はいわば、ショーケースプロジェクトの番外編として「SHOW-CASE PROJECT Extra」と呼ばれることになりました。
この3回の展示を通して、展示空間と作品の関係、展覧会という枠組みそのものを問いかけ、通常は「出来事」として、基本的に単発で発生する展覧会が連続したときに立ち現れるある種の空間性など、この変則的な試みの中で生じる様々な事象や感得できることを企画者、アーティストが共に、そして観客の皆さまと味わい、考えていきたいと思います。
そのSHOW-CASE PROJECT Extraの2回目の展示です。ぜひ、会場でアーティストの挑戦をご覧ください。

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[ 詳 細 : 慶應義塾大学アート・センター

【NEWS】慶應義塾大学アート・センターが 改正博物館法の定める「登録博物館」として新規登録|‘25年4月紹介

慶應義塾大学アート・センター Keio University Art Center

文化庁 博物館総合サイト
慶應義塾大学アート・センターが

改正博物館法の定める「登録博物館」として新規登録されました

慶應義塾大学アート・センターは、2011 年に現在の所在地である三田キャンパス南別館に移転し、同館1階に専用展示施設「アート・スペース」を開室しました。さらに、2013年に東京都教育委員会に申請し、旧博物館法のもと「博物館相当施設」に指定されました。博物館法において、学芸員資格取得のために必要な単位のうち博物館実習に関しては、登録博物館または相当施設における実習により習得することが明記されています。これまでアート・センターは博物館相当施設として学生の学芸員資格取得を支えてきました。

2022年4月「博物館法の一部を改正する法律」が公布され、2023年4月から施行されました。約70 年振りの単独での法改正となり、博物館の登録要件についても見直しがありました。旧博物館法においては、学校法人が設置する博物館は、相当施設としての申請しか認められませんでしたが、改正博物館法において、学校法人の博物館も新たに登録博物館となることが認められました。

この度の法改正を受け、慶應義塾大学アート・センターは改めて「登録博物館」として東京都教育委員会に申請し、審査の結果、2024 年12 月23 日付で「登録博物館」として新規登録されました。 今後もアート・スペースでの展覧会の開催、研究アーカイヴの構築と運用、学内収蔵品の調査・研究、博物館実習をはじめとする大学および一貫教育校を対象とした教育活動、地域との連携などに取り組み、国内外の芸術研究の進展に寄与してまいります。

慶應義塾大学アート・センター(三田キャンパス南別館1F アート・スペース)
〠 108-8345 東京都港区三田2-15-45
慶應義塾大学三田キャンパス南別館
TEL 03-5427-1621 FAX 03-5427-1620 ac-tenji☆adst.keio.ac.jp

※ 慶應義塾大学アート・センターは博物館登録制度における 登録博物館 です( 文化庁 博物館総合サイト
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[ 詳 細 : 慶應義塾大学アート・センター 当該資料掲載ページ
[ 参 考 : 文化庁 博物館法の一部を改正する法律(令和4年法律第24号)について

【展覧会】慶應義塾大学アート・センター|「時代に生きよ、時代を超えよ」── 川口黎爾の直視|’25年6⽉9⽇-8⽉8⽇|前後期二期制開催|終了

慶應義塾大学アート・センター
「時代に生きよ、時代を超えよ」── 川口黎爾の直視
日  時  2025年6⽉9⽇[月]- 8⽉8⽇[金]
          前 期:6月9日[月]- 7月5日[土]
          後 期:7月9日[水]- 8月8日[金]
時  間  11:00 - 18:00
休  館  日  土日祝日、7月5日[土]、7月26日[土]は開館
      7月7日[月]、7月8日[火]、7月28日[月]は閉館
会場案内  慶應義塾大学アート・センター(三田キャンパス南別館1Fアート・スペース)
      〠 108-8345 東京都港区三田2-15-45 
              慶應義塾大学三田キャンパス南別館
      TEL 03-5427-1621 FAX 03-5427-1620 ac-tenji☆adst.keio.ac.jp
対  象  どなたでもご覧いただけます
費  用  入場無料
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これまで公開されることのなかった、藤牧義夫等を中心とする戦前の日本作品と海外の現代美術の優品を有する個⼈コレクションの展覧会をお届けいたします。
人は作品をどれほど深く見つめることができるのでしょうか。希代のコレクター川口黎爾は「まなざし」を「直視」と書きました。彼の作品を見つめる「まなざし」は作品に対峙し、深くその中に入り込んで行くようであったと言います。そのコレクションは正に「直視」を通して集められた作品の数々でした。その直視の先に佇んでいた藤牧義夫は「時代に生きよ、時代を超えよ」と言いました。時代に生き、時代を超える作品に川口は感応し、彼の「直視」に耐えた作品だけが選び抜かれていったのです。作品との対話に生きた川口が残したコレクションは、今、我々に何を語ってくれるのか。ぜひ、会場で確かめてください。

展覧会は藤牧義夫、谷中安規など戦前の日本作品を展示する前期(6/9-7/5)とB.パレルモ、A.メンディエタなど海外の現代美術作品を展示する後期(7/9-8/8)の2部構成で開催します。
前 期:展覧会のタイトルもその言葉に因む藤牧義夫は特に川口の心を捉えた作家でした。真偽の議論も経て並ぶ藤牧版画の魅力を深く味わっていただける機会となります。合わせて谷中安規らの版画作品、さらには林倭衛の身に迫る肖像画、長谷川利行のドローイングなど時代に生きた作家達の息吹が伝わってくる作品群です。
後 期:初期にコレクションされたA.タピエスに始まり、B.パレルモの身を削るようなドローイング、A.メンディエタの木の葉に刻印された姿、S.ブラウンの歩みの痕跡、H.ダルボーフェンの日々の営みが綴る波線のドローイングなど自らの生と向き合いながら、深く問いを投げかけた作家達の作品が並びます。

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[ 詳 細 : 慶應義塾大学アート・センター

【公演】慶應義塾大学アート・センター|2025年度慶應義塾大学新入生歓迎行事|今 貂子舞踏公演『彗星』|’25年5月21日|終了

慶應義塾大学アート・センター
2025年度慶應義塾大学新入生歓迎行事
今 貂子舞踏公演『彗星』
日  時  2025年5月21日[水] 18:00開演(17:30開場)
会場案内  慶應義塾大学日吉キャンパス 来往舎イベントテラス
      〠 223-0061 神奈川県横浜市港北区日吉4丁目1−1
      東急東横線・東急目黒線・東急新横浜線・横浜市営地下鉄グリーンライン
      日吉駅下車
対  象  塾生(特に新入生を歓迎します)、塾員、一般
      *席に限りがありますので、あらかじめご了承ください。
費  用  入場無料  事前申し込み不要
問い合せ  慶應義塾大学アート・センター
      〠 108-8345 東京都港区三田2-15-45 
      Tel: 03-5427-1621 ishimoto☆art-c.keio.ac.jp
協  力  慶應義塾高等学校、ポートフォリオBUTOH、フライヤー撮影:三村博史
コーディネーター  小菅隼人
主  催  慶應義塾大学教養研究センター日吉行事企画委員会(HAPP)、
      慶應義塾大学アート・センター
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 ── 煌々と光りを放ち、焔のような尾を引いてやってくる彗星。
 舞踏に出会った時、まるで彗星のようだと思った。
 飛びのる。勢いよく遊泳する彗星の尻尾を掴み、宇宙を一周。
 時が満ちる。再び彗星がやってくる。
 源泉から汲出した創造力と、未来を予祝する想像力を地上へと運んで ──

◉ 作・舞踏 今 貂子 
  音楽作曲・演奏 ryotaro (midi-accordion)/音響・照明 曽我傑
【出演者プロフィール】
今 貂子[舞踏家、振付家]
’80–’94年、白虎社に参加。’00年、ワークショップを母胎に舞踏カンパニー倚羅座結成。’07年–’16年、五條會館にて連続公演。’16年–’20年KYOTO舞踏館「秘色」ロングラン公演。’19年、還暦記念「闇の艶」(先斗町歌舞練場)。’20年「金剛石-Diamond-」(UrBANGUILD)にて、令和2年度文化庁芸術祭優秀賞受賞。’21年「愛ノ嵐」(UrBANGUILD)、’22年「彗星」(UrBANGUILD)を発表、「金剛石-Diamond-」「愛ノ嵐」「彗星」をコロナ三部作として結実させた。日本の芸能の源流にみられる「たまふり(命の活性化)の力」に支えられたアバンギャルドな舞踏の探求を通じ、独自の境地を開拓。京都を拠点に国際的に活動を行う。

ryotaro [midi-accordion]
エレクトロニクスを融合したアコーディオン弾き。ダンサー、パフォーマーとの数多くの共演を展開。ヨーロッパを中心に海外でのライヴ活動も精力的に行う。

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[ 詳 細 : 慶應義塾大学アート・センター ] 

【展覧会】慶應義塾大学アート・センター|アート・アーカイヴ資料展XXVII|交信詩あるいは書簡と触発:瀧口修造と荒川修作/マドリン・ギンズ|’25年3月17日ー5月30日|終了

慶應義塾大学アート・センター
アート・アーカイヴ資料展XXVII
交信詩あるいは書簡と触発:瀧口修造と荒川修作/マドリン・ギンズ
日  時  2025年3月17日[月]ー 5月30日[金]
時  間  11:00 - 18:00
休  館  日  土日祝日、4月26日[土]- 5月6日[火]
      臨時休館日:4月21日[月]、5月26日[月]
      臨時開館日:4月19日[土]、5月24日[土]
会場案内  慶應義塾大学アート・センター(三田キャンパス南別館1Fアート・スペース)
      〠 108-8345 東京都港区三田2-15-45 
              慶應義塾大学三田キャンパス南別館
      TEL 03-5427-1621 FAX 03-5427-1620 ac-tenji☆adst.keio.ac.jp
対  象  どなたでもご覧いただけます
費  用  入場無料
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「紙にひだをつける、ただそれだけの行為。それは交信紙と名づけられるはずの用箋にすぎない。[…]それらはオブジェであり、言葉でもある。永遠に綴じられず、丁づけされない本。」
(瀧口修造「白紙の周辺」『余白に書く』みすず書房、1966年、116頁。[初出:瀧口修造「白紙の周辺」『みづゑ』1963年3月号、美術出版社、69頁。]初出において「交信紙」は「交信詩」と呼ばれている。)

「この作り手は、もともとそこから形づくられた一連の状態のうちに “死ぬ” か “解体する”。言いかえれば、“私たち” というグループ、共存する時空(たいていの場合、個人、“私” として行為すること)は再集合しはじめる。“作り手” は時空におけるそれ自身の再集合についてしりえず、このことは私たちを空白へと連れてゆくのである。/無数の再集合、おなじように無数の空白がある。」
(荒川修作「制作ノート」本江邦夫訳、『第6回オマージュ瀧口修造』佐谷画廊、1986年。)
瀧口修造(1903-1979)と荒川修作(1936-2010)は様々な形で触発し合う関係にあった。荒川の渡米後、ほどなくして手紙の差出人にマドリン・ギンズ(1941-2014)の名前が加わるが、瀧口の最期にいたるまでその往復書簡は途絶えることがなかった。瀧口は完成にも未完成にも見える自身の手づくり本を「交信詩/交信紙」と呼んでいたが、この概念を字義通り取るならば、書簡のことである。

荒川/ギンズから瀧口へ宛てられた書簡の中には、文字を連ねて用事や近況を伝達することに留まらず、ユーモアや機知に富む方法を用いて書簡を酷使し、新たなメディアへと変成させる準作品のような書簡がいくつもある。例えば、メッセージの書かれた古絵葉書の文字に重ねるように新たなメッセージを書き加えたり、印刷された図像に矢印や数語を加えて別の表現を生成させている書簡などのことである。それらは書簡という非常に私的なメディアであるが故に、発信者と受信者にしかわからないある種の秘境性を有する術語が駆使されているかに見える。しかし同時に開かれた濃密な「空白(blank)」を発生させている。書簡(「交信詩」)を共作の場と捉え、その中に蠢く「空白」を通して、瀧口と荒川/ギンズの諸問題を再考することを目指す。

*本展は富山県美術館(瀧口修造コレクション室)で行われている展覧会「⼿紙と漂流詩」(2024年11月–2025年2月)、慶應義塾大学で行われるシンポジウム「パピエプリエ 02:瀧口修造と荒川修作/マドリン・ギンズ―書簡または余白と空白」(2024年12月)と「手紙」というテーマを共有している。
現在、慶應義塾大学アート・センター、荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所、Reversible Destiny Foundationは、瀧口と荒川/ギンズが互いに送りあった書簡整理を共同で進めており、本展示はその整理を背景に企画された。

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